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彼は深夜の道をヒューストンに向かっていた。自家用ジェット機を使わずにこうしてみずから運転しているのも健康管理にうるさいゴルフ仲間の医師にすすめられたからだ。闇の中に小型車とハンカチを振っている女性が目に入り、たちまち気がめいる。男なら無視できても、女性ではそうはいかない。秘書には“冷たい人”となじられたが、本当は親切なんだ。そんなことを思いながら車を降りたとたん、彼は後頭部に鋭い痛みを感じ、それから先はわからなくなった。酔った客の応対から解放され、フランキーは車で自宅へ向かっていた。まさか一糸まとわぬ姿の男性に出会うなんて考えもしなかった。「いったいどうしたの？名前は？」フランキーが何を尋ねても、彼は“わからない”を繰り返す。大柄で筋肉質の体は、彼の恵まれた生活を物語っているようにも思えた。相手が寒さにふるえているのに置き去りにするわけにもいかず、彼女はその男を“ジョニー”と名付け、家に連れて帰ることにしたが…。

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