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政府、財界、マスコミすべての分野で、「国立大の独法化・民営化」が主流となっている。大学の弱点を見つけ、これを誇張して問題を論じるのは容易であるが、何の役にも立たない。テーマも、国立大を面白おかしく批判し、民営化論を展開すればご時世に合ったものとなる。だが、それは誤りである。真正面からこの問題に取り組み正しい結論を見つけることが研究者としての責務である。このため実際の状況について、数値という客観性の証明が必要である。本書ではこれを行うのが主目的である。
目次 :1章 国立大民営化は誰のために―「大学の自治」「学問の自由」が危ない(「独立行政法人化」への危険な動き;「大学の自治」をおびやかす「提言・これからの国立大学のあり方」 ほか);2章 国立大学ってそんなに非効率か―財務効率・教育の効率性を私立大と比較する(国立大は本当に「金喰い虫」なのか;「医学部高偏差」から「工学部高偏差」に変わる ほか);3章 私立大学は効率経営のお手本か―「定員割れ」「大学倒産」防衛論(私大が国立の法人化に賛成する不思議;経費節減ケチケチ早慶戦にみる私大経営の財務体質 ほか);4章 東大がなぜ一番に国立大独法化に手を上げたのか―東大の「大学ランキング」評価が低いこれだけの理由(東大はトップでないと居心地が悪い?;「私高国低」を強調する朝日新聞の学生評価 ほか);5章 国立大民営化で三〇〇の私立大が潰れる―コンビニ大学・駅弁大学再生への道(「全員合格=定員割れ」の私立大が続出する;河合塾「Fランク」全私大の四割が危ない!? ほか)
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