紙の本から電子書籍への移行を検討する方にとって、Kindleは有力な選択肢のひとつではないでしょうか。本記事では、Amazonが運営する電子書籍サービス・Kindleの使用感が気になっている人に向け、Kindleの概要や専用端末の特徴、SNSでの口コミ・評判などを紹介します。
【概要】Amazon Kindle(アマゾンキンドル)の特徴とサービス
まずはAmazon Kindleとはどのようなサービスなのか、その概要から紹介します。
Amazon Kindleの基本情報
Amazon Kindleは、アメリカのネット通販大手・Amazonが提供している電子書籍や電子書籍リーダーの総称です。
1冊単位での購入から定額での読み放題サービスまで対応しており、専用の電子書籍リーダーやスマホ用のリーダーアプリで利用できます。日本でKindleサービスを提供しているのは、アマゾンジャパン合同会社です。
読み放題サービスは、Kindle UnlimitedとPrime Readingがあります。それぞれの詳細は後述します。
支払い方法はクレジットカード決済やキャリア決済、Paidy(後払い)、AmazonギフトカードやAmazonポイント、PayPayなどが利用可能です。
※価格はすべて税込み(以降も注釈がない限り基本的には税込みとします)
電子書籍の品ぞろえは圧倒的
Amazon Kindleの品ぞろえは数ある電子書籍サービスの中で突出しており、小説からビジネス書、マンガ、雑誌、無料で読めるコンテンツまで700万冊以上にものぼります。
他社サービスと比較すると、国内最大規模の作品数を誇るコミックシーモアでも110万冊程度であるため、いかにKindleの品ぞろえが圧倒的であるのかがわかります。
もともとアメリカで始まったサービスということもあり、洋書が充実しているほか、楽譜や技術書、専門書も取り扱っているのが他社との大きな違いです。
専用の電子書籍リーダー・Amazonデバイスが優秀
Amazon Kindleでは専用の電子書籍リーダーも種類豊富に販売されています。
代表的なところでは、紙のような質感でモノクロの電子書籍を楽しめるKindle Paperwhite、手書き入力機能搭載のモノクロモデル・Kindle Scribe、カラー液晶搭載のタブレット端末・Fireタブレットなどが人気です。
通常のタブレット端末は安くても2万円前後、中価格帯で5万円前後です。
一方、Kindle Paperwhiteは「読書に没頭するためのデバイス」として必要な機能のみに絞って設計されているため、最新版の第11世代で16,980円と、一般的なタブレット端末に比べリーズナブルなのが特徴です。
画面の明るさや色合いを変えて目の疲れを軽減する色調調整ライトや、お風呂やプールでの読書を可能にする防水機能を搭載など、より充実した読書生活を実現してくれる機能も満載です。
Kindle ScribeはPaperwhiteの上位モデルで、47,980円と値段が上がるものの、ディスプレイが大きいので見やすく、メモに便利な手書き入力機能が付加されています。
Fireタブレットは読書以外にネットサーフィンや動画視聴、ビデオ通話など、通常のタブレット端末と同様の機能を備えたAmazonオリジナルのタブレットです。
Amazonのサービスにアクセスしやすく、入門モデルのFire7であれば8,980円で購入できるお手軽さも魅力です。
スマホ専用の電子書籍リーダーアプリがある
Kindleには専用デバイスに加えてスマホ専用のリーダーアプリもあります。
Android用とApple用の両方があり、専用端末を購入しなくてもGoogleストアやApp Storeから無料でリーダーアプリをインストールすれば、手持ちのスマホで電子書籍が読めるのがメリットです。
ただし、このアプリはリーダー専用なので、アプリ内から書籍を購入できない点に注意しましょう。
書籍を購入する場合は、ブラウザ経由からKindleストアで購入する必要があります。
セールや割引きが多い
Kindleでは日替わりセールや月替わりセール、割引きが多いのも特徴です。
「タイムセール祭り」は、ほぼ毎月の頻度で行われます。
例年7月には、プライム会員限定のイベント「プライムデー」が実施されます。
アメリカの祝日である感謝祭(11月第4木曜日)の翌日金曜日から1週間ほど実施されるのは「ブラックフライデー」です。
セールを狙えば専用端末や単品の書籍を安く購入できます。
特に自社製品のKindle端末は50%以上の思い切った割引率になる場合もあります。
情報を常にチェックして、お得に買えるタイミングを逃さないようにしましょう。
読み放題のサービスが充実している
Kindleは読み放題サービスも充実しており、Kindle UnlimitedとPrime Readingの2つの方法で利用できます。
月額980円のサブスクリプション型サービス・Kindle Unlimitedは、すでにAmazon会員であれば、同アカウントで利用でき追加の登録は不要となります。
Kindle Unlimitedとは別に、月額500円で利用できるAmazon Prime会員の特典として、映画・動画の見放題や音楽聴き放題などのサービスと併せて対象作品を無料で購読できるPrime Readingも展開しています。
2つの違いについては次章で詳しくご紹介します。
【読み放題】Kindle UnlimitedとPrime Readingの違いや評判・口コミ
ここからは、Kindle UnlimitedとPrime Readingという2つの読み放題サービスについて、それぞれの違いを比較します。
また、評判や口コミ、どのような人に向いているかを紹介します。
Kindle UnlimitedとPrime Readingの比較
まずはKindle UnlimitedとPrime Readingの特徴を料金や無料お試し期間などの項目ごとに比較してみましょう。
項目 | Kindle Unlimited | Prime Reading |
---|---|---|
月額料金 | 980円 | 月額500円 (年額4,900円) |
無料お試し期間 | 30日間 | 30日間 |
読める本の数 | 200万冊以上 | 1,000冊以上 |
本のジャンル | 小説、ビジネス書、実用書、コミック、雑誌、洋書など | 小説・評論、ビジネス・経済、趣味・暮らし、絵本・児童書、コミック、雑誌、洋書など |
同時接続可能台数 | 6台まで | 6台まで |
端末ダウンロード | 20冊まで | 10冊まで |
対応機種 | Kindle端末、Android、iPhone、タブレット、Windows、Mac | Kindle端末、Android、iPhone、タブレット、Windows、Mac |
利用条件 | Amazonアカウントの作成が必要 | Amazon Primeへの会員登録が必要 |
Kindle 読み放題の評判・口コミ
続いては、Kindle UnlimitedとPrime Readingのそれぞれの評判をSNSからピックアップして紹介します。
利用者のリアルな声を聞き、実際の使用感を知るうえでの参考にしてみてください。
Kindle Unlimitedの評判・口コミ
Kindle Unlimitedの使用感としては、ラインナップの豊富さや、専門的な書籍が日替わりセールで安く買えるといった点を評価する口コミがありました。
ややお高めの専門書を読みたい人にとっては、セールを活用してお得に購入できるのはうれしいポイントです。
Prime Readingの評判・口コミ
Prime readingはAmazon Prime会員特典として追加料金無しでさまざまなジャンルの本が読める点や、Kindle Unlimitedの中で評判が良い本を重点的に読める点などが高評価を得ているようです。
Kindle Unlimitedがおすすめなユーザー
Kindle Unlimitedがおすすめなのは、初期費用をかけずに楽しみたい人や、読書の習慣があり普段から多くの本を読む人です。
マンガや雑誌、小説などのほか、他社サービスでは取り扱いの少ない専門書のラインナップも豊富なため、大学の授業や仕事に関係する専門書を読む機会が多い人にも重宝するでしょう。
すでにAmazon Primeの会員で、Prime Readingのタイトルだけでは物足りないと感じる方には、おおよそ本2冊分で元を取れるKindle Unlimitedはコスパがよく感じられるかもしれません。
Prime Readingがおすすめなユーザー
Prime Readingは、Amazon Prime会員の付帯サービスです。
すでにAmazon Primeの会員になっていて、そこまで読書量が多くはない方にとっては、Prime Readingのサービスで十分満足できる可能性があります。
まだAmazon Prime会員ではない方で、動画や音楽の配信サービス、通常配送無料・お急ぎ便使い放題など、読み放題以外のPrime特典にも魅力を感じる人は、Kindle Unlimitedに単独で加入するよりも、Amazon Prime会員になった方がより幅広いメリットを享受できます。
普段そこまで読書はしないけれど気になるマンガや雑誌があれば読みたい、という人にとっては、Prime Readingの利用から始めてみることをおすすめします。
【電子書籍リーダー】Kindle PaperwhiteとFireタブレットの違いや評判・口コミ
次に電子書籍リーダーのKindle PaperwhiteとFireタブレットの違いを項目ごとに解説します。
Kindle PaperwhiteとFireタブレットの比較
Kindle PaperwhiteとFireタブレットの違いを以下の通りです。
項目 | Kindle Paperwhite(2022年最新モデル) | Fireタブレット(2022年最新モデル) |
---|---|---|
価格帯 | 16,980円〜21,980円 | 8,980円~32,980円 |
端末サイズ | 6.8インチ | Fire7タブレット 7インチ/ Fire HD8タブレット 8インチHD/ Fire HD10タブレット 10.1インチ |
液晶画面 | 液晶タッチパネル | 液晶タッチパネル |
解像度 | 300ppi | 171~ 224ppi |
容量 | 8GB/16GB | 16GB/32GB/64GB |
動画視聴 | × | 〇 |
音楽再生 | × | 〇 |
ゲーム | × | 〇 |
メール | × | 〇 |
その他アプリ | × | 〇 |
Kindle PaperwhiteとFireタブレットの評判・口コミ
続いては、Kindle PaperwhiteとFireタブレットの評判・口コミをTwitterからピックアップして紹介します。
Kindle Paperwhiteの評判・口コミ
Kindle Paperwhiteの辞書機能の使いやすさや、バッテリーの持ちの良さを評価する口コミが見受けられました。
そのほか、色調調節ライトが搭載されているので、読んでいて目が疲れにくいといった意見もありました。
Fireタブレットの評判・口コミ
fireタブレットについてもPaperwhiteと同様にバッテリーの持ちの良さを評価する声が見られました。
また、マンガを読む際にPaperwhiteだと前のページの残像で裏写りが生じているように映る場合があるとし、fireタブレットの方を推す声もありました。
Kindle Paperwhiteがおすすめなユーザー
Kindle Paperwhiteをおすすめしたいのは、読書専用の端末が欲しい人やブルーライトによる液晶画面特有のちらつきが苦手なユーザーです。
ブルーライトカットの仕様や防水機能は、就寝前や入浴時にも読書を想定している人にもフィットします。
読書する場所を選ばず、専用端末で本を読む時間に集中したいという方には、Kindle Paperwhiteがおすすめです。
Fireタブレットがおすすめなユーザー
Fireタブレットをおすすめするのは、読書だけでなく動画や音楽も楽しみたい人です。
また、スマホのサブ機としてタブレットの購入を検討している人にもおすすめです。
FireタブレットではAmazon Primeのサービスが利用できるだけなく、WebブラウザのSilkを使ってインターネットも利用できます。
さらに、メールアプリやオフィスソフトも使えます。
ただ普通のタブレット端末でできることはだいたいできてしまう反面、読書の妨げになるような誘惑的な要素が多いため、読書専用端末というよりはあくまで読書もできるタブレットといった位置付けです。
Kindleのメリットは5つ
ここでは、電子書籍としてKindleを活用する5つのメリットを紹介します。
マンガ・書籍の取扱い数は圧倒的
Kindleは全ジャンルで700万冊以上の品ぞろえを誇り、中でもマンガと書籍の取扱い数は他社に比べて圧倒的です。
マンガは少年から青年、少女、女性、ロマンス、BL、TL、インディーズ、アダルトまで幅広く、よほどニッチでない限り読みたいマンガはだいたい購入できます。
Kindle Unlimitedでは5万冊以上のマンガが読み放題なので、いろいろなジャンルのマンガを読みたい人にはうってつけです。
どこでも本が読める
スマホや専用端末に購入した本をダウンロードしておけば、インターネット環境がない場所でも本が読めます。
特に旅先などでネットにつながりにくい場所では、環境に左右されずに本にアクセスできるのは大きなメリットです。
大量の本を持ち運べる
Kindleではスマホアプリや専用端末に購入した本をダウンロードしておけるので、紙では重すぎて運べない冊数の本も楽に携行できるのがメリットです。
また自宅の蔵書が増えすぎてこれ以上は置き場所がないという人は、Kindleに移行することで保管スペースの節約にもなります。
すべての本をKindleで購入するのではなく、本のジャンルに応じて使い分けるする方法もあります。
長編のシリーズ作品だけはKindleで、じっくりページをめくりながら読みたい小説は紙というような使い分けもおすすめです。
いつでも本を買える
KindleではAmazonストアから24時間365日いつでも好きな時に好きな本を購入できます。
書店が自宅から遠い、書店が営業時間外だったというケースでも、場所や時間の制限なく本が買えます。
これもKindleをはじめとする電子書籍の大きなメリットです。
専用の電子書籍リーダーで読める
Kindleではスマホ用の専用リーダーアプリのほか、読書に特化したKindle Paperwhite、動画・音楽も楽しめるFire タブレットを利用して本が読めます。
前述の通り、PaperwhiteもFireタブレットもモバイル端末としては比較的安く、手を伸ばしやすいお手頃感が魅力です。
Kindleのデメリットは4つ
Kindleの利用を始める前に、デメリットも把握しておきましょう。
専用アプリ・専用端末の操作性にクセがある
Kindleの専用アプリは読むことに特化したアプリなので、アプリからは本を購入できません。
読みたい本の購入手続きはブラウザからKindleストアにアクセスする必要があります。
専用端末は、Android OSをベースにしているものの、通常のスマホやタブレットとは操作性が異なる点に注意が必要です。
また専用端末はアプリに比べてページめくりの速度が遅く、慣れるまで使いにくさを感じるかもしれません。
本棚機能(ライブラリ)が使いづらい
Kindleの本棚機能(ライブラリ)は操作性がやや乏しく、購入した本の管理がしにくいというデメリットがあります。
シリーズ作品が順番に並ばない、コンテンツが表示されないなどの口コミもあります。
整理のしやすさや検索性の高さに期待して電子書籍の利用を考えている人は、本棚機能に定評があるコミックシーモアなどのサービスを選択する方法もあります。
読みたいページを探しにくい
Kindleの専用アプリや専用端末では、漫画絵や写真が主体となるマンガや雑誌などでは読みたいページを探しにくいのが難点です。
マンガや雑誌は全文検索に対応していません。
さらに基本的にはページの概念がなく「位置No.」しか表示されないため、ページ数もわかりにくくなっています。
Kindle 専用端末ではダウンロードにインターネット環境(Wi-Fi)が必須
Kindle PaperwhiteおよびFireタブレットはSIM入りの端末ではないため、書籍をダウンロードする際インターネット(Wi-Fi)を受信できる環境が必要です。
出先や旅先でも本を読みたい場合、事前にW-Fiで書籍をダウンロードしておく必要があります。
【Q&A】Kindleに関するよくある質問
ここからは、Kindleに関してよくある質問と、それに対する回答を紹介します。
まとめ
Kindleは700万冊という圧倒的な作品数を取り扱う、あらゆるジャンルを網羅した電子書籍サービスです。
単品で購入する方法のほかに月額制のKindle Unlimitedと、Amazon Primeの付帯サービスであるPrime Readingという読み放題サービスも提供されています。
専用端末のラインナップも豊富に用意され、辞書機能やメモ機能など読書ライフを豊かにしてくれる機能が多く搭載されているので、ぜひ活用してみてください。