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われわれはイギリス小説を読む。その映画化作品も見る。だが、本当にその面白みを理解できているだろうか?スノッブで、イジワルで、「階級」にとらわれたイギリス人、その作家たちが書く文章には、「階級」にまつわる揶揄と皮肉が練り込まれ、行間には棘がひそんでいる。そして、映画ではそれらがどう変容され、また強調されているのか?小説と映画から、イギリス社会とイギリス人の心理に深く重く沈潜する「階級意識」を読み解く。
目次 :1 ラヴ・コメディ今昔(嫌われるヒロイン?―ジェイン・オースティン『エマ』;エリザベス・ベネットが九〇年代のロンドンにいたなら?―ヘレン・フィールディング『ブリジット・ジョーンズの日記』);2 働く女たち(逆境の淑女、ガヴァネス―シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』;なぜナニーは不機嫌なのか―P・L・トラヴァーズ『メアリー・ポピンズ』 ほか);3 階級と男たち(ジェントルマンと教育―チャールズ・ディケンズ『大いなる遺産』;愛を勝ちとる「格下の男」―E・M・フォースター『眺めのいい部屋』 ほか);4 イギリス人が異世界を描けば(「ユートピア」は階級社会の行く末?―H・G・ウェルズ『タイム・マシン』;悪の権化はなぜ「フツーの人」になったのか?―アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』 ほか);5 マイノリティたちのイギリス(日系作家の描いた「古きよきイギリス」―カズオ・イシグロ『日の名残り』;「新しいイギリス人」と越境する新世代―ハニーフ・クレイシ『郊外のブッダ』ほか)
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不機嫌なメアリー・ポピンズ はこんな本です。
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