\ 直木賞 /

第171回 受賞作品

作家:一穂ミチ
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。
ある日、バイト中に話しかけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った…。「違う羽の鳥」

調理師の職を失った恭一は、家に籠もりがち。
ある日、息子の隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣に住む老人からもらったという。
翌日、恭一は得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れると…。「特別縁故者」

渦中の人間の有様を描き取った、鮮烈なる”犯罪”小説全6話。

ノミネート作品

第170回 受賞作品

作家:河崎秋子
明治後期の北海道の人里離れた山中で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。
図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。
人間、そして獣たちの業と悲哀を織り交ぜた、理屈なき命の応酬の果ては―

河崎流動物文学の最高到達点!!

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作家:万城目学
京都が生んだ、やさしい奇跡。
女子全国高校駅伝…都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会…借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。
京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは―――
人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る京都×青春感動作2篇

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ノミネート作品

第169回 受賞作品

作家:垣根涼介
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて後醍醐天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める――

尊氏のような意志を欠いた人間が、何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜなのか。
作家:永井紗耶子
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。
父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛された。
その二年後、菊之助の縁者という侍が仇討ちの顛末を知りたいと訪れる。
芝居町の語り草となった大事件、その真相は――。

現代人の心を揺さぶり勇気づける令和の革命的傑作誕生!

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ノミネート作品

第168回 受賞作品

作家:小川哲
ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。
日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。 第13回山田風太郎賞受賞。

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ノミネート作品

\ 芥川賞 /

第171回 芥川賞

作家:朝比奈秋
周りからは一人に見える。
でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。
不思議なことはなにもない。
けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか?そして今これを考えているのは誰なのか――。
医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。

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作家:松永K三蔵
内装リフォーム会社から古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に転職して2年の波多は、同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。
その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員の妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知り――

会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。

ノミネート作品

第170回 受賞作品

作家:九段理江
寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。
犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら未来を追求する。
ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。

日本人の欺瞞をユーモラスに描いた現代版「バベルの塔」。

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ノミネート作品

第169回 受賞作品

作家:市川沙央
背骨が右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している重度障害者の井沢釈華。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――

圧倒的圧力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文学界新人賞受賞作。

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ノミネート作品

第168回 受賞作品

作家:井戸川射子
思い出のことは、世界に出会ってこと。
静かな感動を呼ぶ傑作小説集。娘が考えている頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。
その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「今の喜びよ」をはじめとした作品集。
最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス! 2022年10位、野間新人新人賞を受賞。

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作家:佐藤厚志
あの災厄から十年余り、男はその地を彷徨いつづけた。元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。
40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。
地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。
仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。

ノミネート作品